X線CT装置の導入にあたって、検討材料として考慮していただきたいポイントをいくつか説明させていただきます。
導入後の運用や装置の能力を最大限に活かしていただくために、装置選定の際に十分考慮ください。

① 撮影サンプルの材質・サイズ

X線CT撮影対象の製品の種類やサイズが多岐にわたる場合、とくに工業用品など金属や合成樹脂など異なる素材をスキャンする場合は、各素材の特性に対応できる装置が必要です。また、大型の製品を扱う場合には、スキャン可能な構成になっているかを確認することが重要です。
装置の構成を製品に最適化することで、正確な画像を得ることができ、分析の精度が向上します。

② 分解能

分解能は、X線CT画像の細部をどれだけ鮮明に表示できるかを決定する重要な要素です。
分解能が高ければ高いほど、微細な欠陥や複雑な機械部品の内部構造の確認を可能になり、高分解能装置を導入することで、製品の品質を確保し、不良品の発生を抑制することが可能となります。
希望分解能での撮影の可否は、装置の構成(撮影可能倍率)や組み合わせたX線検出器によって決まります。

③ 装置サイズ・搬入ルート

設置スペースや搬入経路を事前に確認し、それに適合する装置を選定することが必要です。特に大型のCT装置は、設置場所までの経路が確保されているか、設置スペースに収まるか、耐荷重は足りているかを確認することが重要です。これにより、搬入や設置のトラブルを回避し、スムーズな導入が可能となります。

④ 画質

製品の微細な欠陥や内部構造を高精度で確認するために、画質が非常に重要です。高画質のCT装置を選ぶことで、細部まで鮮明な画像が得られ、正確な品質評価が可能となります。特に製品開発や品質管理においては、画質の良し悪しが製品の信頼性に直結します。

⑤ タクト・タイム

タクト・タイムとは、1回のスキャンに要する時間のことです。
大量の製品の品質検査や生産ラインへの導入など作業の効率化が必要な際には特に、タクト・タイムが短い装置を選ぶことで短時間で多くの製品をスキャンすることができ、全体の生産効率が向上します。

⑥ 価格

装置の価格については、予算内で最適な性能を提供する装置を選ぶことが重要です。
その際、初期導入コストだけでなく、保守や運用コストも含めたトータルコストを考慮することが必要です。これにより、長期的な視点でのコストパフォーマンスを評価することができます。
X線CT装置の部品には消耗品とされる部分が含まれており、使用頻度や時間の経過とともに劣化します。このため定期的なメンテナンスや交換が必要となります。

これらのポイントを総合的に考慮し、用途に最適なX線CT装置を選定することが重要です。例えば、電子部品の検査には高分解能・高画質が求められる一方、大型部品の検査には広範囲をスキャンできる装置が適しています。

弊社では、最初のお打ち合わせから技術スタッフが参加し、お客様のニーズに合わせて各ポイントをバランスよく満たす最適な装置をご提案いたします。技術スタッフは全ての要素を総合的に検討し、最適な装置の組み合わせをご案内いたします。

また、導入後の効果を最大化するためのサポートも充実しており、運用に関するアドバイスやメンテナンスについてもお手伝いいたします。
お客様のニーズに最も適したX線CT装置を選定し、導入後の運用がスムーズに進むよう、万全の体制でサポートいたします。
最適なX線CT装置を見つけていただけるよう、全力でサポートいたしますので、ぜひご相談ください。